ボロボロのクモの網

金属製の外壁や手すりなどで見かける、ボロボロでちょっと汚い感じがするクモの網。

金属の壁などに見られるクモの網

こういうタイプの網(「ボロ網」と呼ばれます)を張るクモは何種類かいますが、最も普通に見られるのはネコハグモです。
体長5mm程度、「猫のようなハグモ」という意味で名付けられました。

葉の上に張られたネコハグモの網(2018.10.27撮影)

ハグモというのは、写真のように葉に網を張る事からついた名前です。
人工物にも好んで住み、その場合に冒頭の写真のような「ボロ網」を張ります。よーく見ると、あみだくじに見える事もあります。環境によって見た目の違う網を張るという、ちょっと面白い種です。

あみだくじのように見えるネコハグモの網

では「猫」はどうなのでしょう。今回、網の中で越冬中のクモを採集してきて、アップで撮影してみました。

アップで見るとむくむくしています

全身毛でむくむくしていて、確かに猫っぽいような気はします。

この角度の方が、やや猫らく見えるかも知れません(?)

このクモは、春にふ化した幼体が秋までに成長し、成熟します。交尾後、オスは死滅してメスが越冬、翌春に産卵します。春には生まれたばかりの子グモとメスが同居している時期があります。積極的に子育てをしている様子はないのですが、母グモが仕留めた獲物に子グモが集まってきても、追い払ったりはしません。
比較的ありふれた種ですが、網の形や生態など、詳しく見ると興味の尽きないクモです。

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