1月28日は夕方から相模原市内も雪が降りました。博物館周辺では積もることはありませんでしたが、丹沢はもちろん雪がかぶっていて、しかも翌29日は快晴でした。そこで、丹沢の雪形が出ているはずなので、緑区まで撮影に出かけました。すると・・
以前と比べると、ずいぶんと薄くなりました。
2010年の写真です。
わかりやすいように、雪形を赤く縁取ってみます。丹沢最高峰の蛭ヶ岳の東側、鬼が岩の頭(おにがいわのかしら)というピークの北斜面にあります。白馬が駆け上がるような、美しい雪形です。
ここはどんな場所なのかわかるように、2011年の夏に登った時の、現地の写真を紹介します。古い伐採地で、斜面に広がる草原になっています。つまり、積雪があるとここが雪原(せつげん)になって雪形になるわけです。
2010年の写真の拡大と、今年の写真の拡大を並べます。
積雪が少ないだけのようにも見えますが、よく見ると、植生がだいぶ遷移(せんい)して、樹木が育っているようです。
雪がつかずに抜けて見える「ネガ」の雪形と異なり、丹沢の雪形は形が浮き出る「ポジ」です。しかも森林が成立しないほどの高標高地や崖地ではないため、放っておけば樹林になり、雪原にも雪形にもなりません。丹沢の雪形は、時間と共に消えゆく運命なのかもしれませんね。