メジロの相互羽づくろい

とある公園で野鳥観察をしていると、メジロの群に遭遇しました。茂みの中でしばらく採食していましたが、そのうち近くの木の上にとまってそれぞれ羽づくろいを始めました。羽づくろいとは、嘴(くちばし)で羽根の1枚1枚をしごいたりほぐしたりして、羽根の並びと繊維を整え、からみついたゴミなどを除去する行動です。鳥を観察していると、結構頻繁に行うことがわかります。
さて、羽づくろいをしている群の中の2羽がぴったり寄り添ってとまり、お互いの顔のあたりの羽づくろいをしています。

もうちょっと左、とか言っているのでしょうか

なんとも仲睦まじく見えますね。これはメジロやハト、カラスの仲間などで知られる番(つがい)の行動で「相互羽(は)づくろい」と言われています。メジロの番は、基本的に生涯同じペアで続きます。冬の間は群を形成しつつも番は常に行動をともにして、このように時折相互羽づくろいをします。別の枝に移っても同じように相互羽づくろいを続けていました。

違う枝に移ってもまた始めました

羽づくろいは、鳥にとって身だしなみという以上に、命に係わる重要なお手入れです。保温や飛翔に欠かせない羽毛は、決まった順序の並びと、繊維がほつれずにきれいに揃っていることで機能を発揮します。でも、頭部は嘴で羽づくろいができないので、通常は足指でかきます。メジロはこれを、番のペア同士が嘴で羽づくろいし合うわけです。
なぜメジロなどの限られた種類だけがこうした行動をするのかはわかりません。しかし、毎年ペアが変わる鳥が多い中で、メジロは生涯同じペアであることを考えると、番の絆を深めるという意味合いが大きいのは確かなようですね。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 タグ: , パーマリンク