小原宿 大名行列 しずしずと (おばらじゅく だいみょうぎょうれつ しずしずと)
小原宿は、江戸時代の五街道の一つ「甲州道中」(こうしゅうどうちゅう *「甲州街道」は通称で、甲州道中が正式名)の宿場で、現在も本陣(大名等が宿泊する建物)や宿場を偲ぶ建物が残されています。
絵札に描かれている大名行列は、毎年11月3日に開催されている「甲州街道小原宿本陣祭」の中で行われているメインイベントで、「奴の舞」という毛槍を持つ奴(やっこ)が槍を投げ渡して受け取る様は圧巻です。
本陣祭の詳細はこちらを。甲州街道小原宿本陣祭実行委員会ホームページ(「奴の舞」などの動画もあります)
その他、甲州街道小原宿本陣祭では、本陣の庭での野点(のだて)でお茶を楽しめたり、地域団体による本陣太鼓・お囃子、民具の展示、昔のお店、歴史写真展などで大変賑わいます。(2020年は新型コロナウィルスの影響で中止)
ここまでだけなら、観光情報と同じですので博物館らしく、歴史的な特徴も記したいと思います。
①市内で最初
小原宿本陣は周辺にも宿場の名残を留める、地域の良好な景観形成に重要な建造物として市の「景観重要建造物」に指定されています。この指定は景観法に基づく制度で、「小原宿本陣」、「市役所前通りの桜並木」が「景観重要建造物」、「景観重要樹木」の第1号として平成24年11月に指定されました。詳細はこちら(市ホームページ)をご覧ください。
②県内で唯一
県内を通っていた江戸時代の五街道には甲州道中の他、東海道もありました。その中で、小原宿の他に本陣が残っている宿場はなく、県内で唯一残る貴重な本陣として県指定有形文化財になっています。小原宿本陣の詳細はこちら(市ホームページ)をご覧ください。
③全国でも珍しい
小原宿は、西隣の与瀬(よせ)宿と近接しており、本来はひとつの宿場が担うことを二つの宿場で役割分担をしていました。それが「片継ぎ」(かたつぎ)というものです。
与瀬宿は、西側から来た人たちを、小原宿を通過し、その東側の難所である小仏(こぼとけ)峠を超え、小仏宿まで送るための人馬を提供します。一方、小原宿は小仏宿から来た人たちを、与瀬宿のひとつ西側の吉野宿まで送るための人馬を提供します。
この役割分担が「片継ぎ」というもので、全国的にも数少なく、宿場の規模が小さいことや付近に難所があることなどが理由のようです。
また、小原宿本陣のすぐそばには、小原宿に関する展示などがある「小原の郷」もありますので、あわせて利用していただくとよいかと思います。
現在、小原宿本陣、小原の郷は新型コロナウィルスの影響で休館中です。見学・利用については、市ホームページ等で施設の開館状況をご確認の上、ご来館ください。
*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在、貸出しは休止中です。)
*貸出し詳細やかるたに関心のある方は、博物館までご連絡下さい(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒を必ず行って下さい。