飛行機雲と彩雲

新型コロナウイルスの影響で、私たちの生活は一変してしまいましたが、今日も空を見上げると変わらぬ青空が広がっています。
この当たり前のように感じる青空は、太陽の光と地球大気が織りなしてできる、地球でしか見ることのできない光景です。
そんなことを思いながら空を見上げると毎日が少し楽しく感じられるかもしれません。

さて、見通しの良い場所で青空を見上げると、そこにはほとんどの場合、雲が浮かんでいます。
今日、博物館から見上げた空にはたくさんの帯状の雲が浮かんでいました。

2/10 14:00頃の空

細くみえるもの、太くみえるものがありますが、両方とも一般的に「飛行機雲」と呼ばれる雲です。
飛行機雲は飛行機のエンジンから排出される高温の排気ガスが、急速に冷やされることによって生じます。
上空大気が湿っているほど、飛行機雲は空に残りやすく、発達(変異)して広がり、今回のような帯状になります。

一方、太陽のほうを向いてみると太陽の近くの雲が虹色に輝いていました。
これは雲を形作る小さな水滴(雲粒)によって、回折した光が雲を虹色に染め上げる「彩雲」です。

彩雲
※彩雲は太陽の近くに現れます。太陽を直接見ると目を傷める恐れがあります。観察する時は太陽を建物などで隠し、太陽を直接見ないようにして観察してください。

また、今回の彩雲は、細かな波打っている様子が見て取れる上層の雲「波状巻積雲(はじょうけんせきうん)」が色づいたもののようです。
巻積雲ができる高度の空は氷点下、彩雲となるのは水滴でできた雲ということを考えると
雲を構成する雲粒が過冷却(0℃以下でも液体の状態の)水滴であることがわかります。
このように雲を通して上空大気や雲の状態を予想してみるのも昼間の空の楽しみ方のひとつです。

外出自粛が求められている中ですが、自宅の窓から見える、いつもの空も
見かたを変えてみると新しい発見があるかもしれません。

ぜひ自宅から見える地球ならではの光景を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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