閉会した開館25周年企画「色々な石展」について、今回は、10「この石何色?」コーナーを紹介します。「色々な石展」の紹介ブログもこれで最終回です。
前回までの記事はこちらから。
1「色々な石」コーナー
2「透明な石」コーナー
3「白色の石」コーナー
4「黒色の石」コーナー
5「青色の石」コーナー
6「黄色い石」コーナー
7「赤色の石」コーナー
8「緑色の石」コーナー
9「金色の石」コーナー
10「この石何色?」コーナーでは、色の違う粒子が組み合わさってできていたり、一つの結晶の中でも色が変化したり、一つの色では表現できない石を展示しました。実際にはこのような石の方が多いでしょう。
10「この石何色?」コーナーの展示の様子です。
リチア電気石(でんきせき)は一つの結晶でも部分によって色が違っているものが珍しくありません。内側がピンクで外側が緑色をしたものはウォーターメロン(スイカ)と呼ばれています。ピンクと緑以外のカラーバリエーションもあります。
黒っぽい色をしたオパールも展示しました。ブラックオパールと呼ばれており、オーストラリアで特徴的に産出します。ケース内ではうまく照明が当たらず、カラフルな感じがわかりませんでした。下の写真はうまく照明をあてて撮影したものです。
下の写真は縞状鉄鉱層(しまじょうてっこうそう)と呼ばれる岩石です。赤い部分はチャート、黒い部分は鉄鉱石、金色の部分は虎目石(とらめいし)です。
下の写真は、赤い部分がチャート、緑がかかった黒い部分が緑色岩(りょくしょくがん)、白い部分が方解石(ほうかいせき)からできている岩石です。名前を付けづらい岩石です。海底火山活動でできました。白い花びらのような形の部分は「菊花石(きっかせき)」と呼ばれ、観賞用として人気の高い石です。菊花石は花の化石ではなく、岩石の割れ目を鉱物が放射状に埋めてできました。美しく見せるために人工的に加工された部分もあります。
アキャスタ片麻岩(へんまがん)は約40億年前にできた地球最古の岩石です。カナダ北部のスレイブ地区に分布しています。今回展示したのはその一部分です。
こちらの南極の片麻岩は白っぽい色をしています。同じ片麻岩でも色合いがかなり異なります。
ミョウバンと硫酸銅(りゅうさんどう)の溶液を混ぜたものから結晶を成長させると、ミョウバン(透明)と硫酸銅(青)が別々に成長します。天然の結晶ではなく、博物館でつくったものです。
岩石や鉱物は本来、色で分類されることはありません。そこをあえて色ごとに分けて展示することで、石の特徴や魅力を伝えることができたと思います。
いつになるかわかりませんが、将来、同様の展示をまた開催できればと思っています。