クワの木にいる大きなテントウムシ

4月24日に実施した生きものミニサロンで、クワの木にいる大きなテントウムシを見つけてくれた参加者がいて、大変盛り上がりました。その、ハラグロオオテントウについて、改めて紹介します。

ハラグロオオテントウ

このテントウムシは、大きさが1センチメートル以上もある日本では最大級のテントウムシです。もともと西日本に分布する種類でしたが、近年、関東地方へも分布を広げ、博物館周辺では2年ほど前から見られるようになりました。

ハラグロオオテントウ

このテントウムシがなぜクワの木にいるのかというと、はっきりとした理由があります。それは、こちらの不自然に折れた葉と関係があります。

不自然に折れたクワの葉

このように折れ曲がったり、しおれたように縮んだ葉の中を覗いてみると・・

折れた葉の中には必ず白いもじゃもじゃが

白い毛のようなもじゃもじゃがついています。さらに拡大すると・・

虫のようです

拡大してもわかりにくいので、もう少し季節が進んだ時に撮影した写真がこちらです。

クワキジラミの幼虫

これは、クワキジラミという昆虫の幼虫です。キジラミとは、カイガラムシやアブラムシなどと同じくカメムシに近い仲間で、植物の汁を食物にしています。白いもじゃもじゃは、幼虫がお尻から出すロウ状物質です。
クワキジラミは養蚕の盛んな地域では、クワの葉を傷める害虫として知られていました。ハラグロオオテントウも、もう少し早く分布を広げていたら、害虫を食べてくれる虫として神様の遣(つか)いのような扱いを受けていたかもしれませんね。

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