青山学院大学の博物館実習を実施

5月15日午後、当館学芸員が非常勤講師を務める青山学院大学の学芸員資格取得コース「博物館実習」の講義を実施しました。大会議室に、掛物(かけもの=掛け軸)やはく製などの実物資料、梱包資材、演示具などを持ち込み、「資料の取り扱い」、「資料の梱包」、「資料の列品」の実技講習を行いました。
まずは、学芸員から梱包の作業方針や基本技術のレクチャーを受けます。

梱包作業のレクチャー

続いて、二人一組になって梱包作業に挑戦。家庭の食器などの梱包と、中身を保護するという点では同じです。しかし、博物館資料は幾重にも配慮するポイントがあり、一つ一つ確認しながら進めます。

始めての作業に戸惑いながらもがんばっています

こちらの作業では、掛物を実際に設置し、その後巻き取って撤収します。巻くときに巻きがずれていき、いわゆる「タケノコ巻き」になってしまわないようにするのが苦労のしどころです。肉筆の作品を扱うのが初めての学生がほとんどだったので、これもかなり緊張したようです。

本物の掛物を扱い、背中にも緊張が見えています

こちらは資料の固定です。演示台に、虫ピンやテグス、被覆チューブなどを使っての固定にチャレンジしてもらいました。

はく製を演示台に固定する作業

通常の講義は大学の教室で行いますが、今回は博物館の実際の資料や演示具を使用して実習を行いました。どの作業も資料を“守りながら”、“見せる”、“移動する”ことになり、その上で必要な作業方針やスキルをしっかり学んでもらいました。実習後のアンケートにも、本物の資料や演示具を使って作業体験できたことが印象的だった様子が多く綴られていていました。
今回は、学外の実習で、しかも通常の授業日ではないイレギュラーな日程だったにも関わらず、受講生全員が出席してくれました。真剣に、そして前向きに実習に取り組む学生たちの様子を見て、たくさんの資料や道具を準備した苦労が報われたと感じました。

 

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