7月星空情報「天上の宝石"アルビレオ"」

7月16日、関東地方が梅雨明けしました。
平年より3日早く、昨年より16日早かったそうです。
梅雨が明けてからは、毎日蒸し暑い日々が続いていますので、星空観察をする時も熱中症にならないように、こまめに水分補給をすると良いでしょう。

さて、梅雨明けとなり、星空観望会にはピッタリな季節ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止等の観点から7月を含めて2022年3月まで、博物館の星空観望会は中止することになりました。
今月の星空観望会で皆さんと見る予定だった天体は、はくちょう座の恒星「アルビレオ」でした。アルビレオは少し暗い星なので、見つけるのが難しいのですが、夏の大三角から探すと見つけやすくなっています。

夏の大三角とアルビレオ
(撮影:当館プラネタリウム解説員)

はくちょう座とアルビレオ
(撮影:当館職員)

アルビレオは夏の大三角のベガとアルタイルを結ぶ線の真ん中あたり、三角形の少し内側の位置で、暗め(3等星)に瞬いています。
肉眼で見ると1つの星のようですが、望遠鏡などで見ると、二つの星が寄りそって見える「二重星(にじゅうせい)」です。

アルビレオ
(撮影:国立天文台)

輝きがオレンジとブルーの色で対比が美しく、人気のある天体です。
宮沢賢治の童話作品「銀河鉄道の夜」の中では、「青宝玉(サフアイア)と黄玉(トパーズ)の大きな二つのすきとおった球」と表現されています。

肉眼では1つの星にしか見えないアルビレオですが、スッキリと晴れた夜空で見ることができます。昔の人々も眺めていたアルビレオを、ぜひ、夜空で探してみてください。

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