目に映える 桜並木の 市役所通り
相模原市役所に面したメインストリートは「市役所さくら通り」と呼ばれ、毎年春になると多くの人々で賑わう桜並木の名所として知られています。なお、絵札に描かれた青い手のオブジェは桜並木が続く西門商店街に設置された芸術家岡本太郎氏の作品「呼ぶ 赤い手・青い手」です(現地には赤い手もあります)。
「市役所さくら通り」と呼ばれる道路のルーツは、戦前の軍都計画の一環として、1940(昭和15)年に起工した全国最大規模の相模原都市建設区画整理事業によって整備された道路です。当時、1万人を超える従業員が戦車や砲弾を製造していたとされる相模陸軍造兵廠(現 在日米陸軍相模総合補給廠)の西門と、相模原町の中心地であった上溝を直結する南北約2kmの幹線道路として計画されたため、道路幅員は異例の40mが確保され、植樹帯も設けられました。
当時の道路計画は、写真の「相模原土地区画整理区現形並予定図」に見ることができ、青色で示された道路のうち縦方向の道路が現在の市役所さくら通りで、横方向の道路が現在の国道16号に該当します。
戦後、食糧難を背景とした無断耕作などにより植樹帯は荒れ果てていたようですが、1952(昭和 27)年に、県の緑化祭の一環としてソメイヨシノの苗木が植栽されました。その後、時を経て、苗木は大木へと成長し、美しい桜並木の名所として知られるまでになりました。桜並木は、2012(平成24)年11月1日に景観法に基づく「景観重要樹木」に指定され、市役所前さくら通り地区は、2021(令和3)年5月14日には相模原市景観条例に基づく「景観形成重点地区」に指定されています。
1974(昭和49)年からは、毎年「相模原市民桜まつり」のメイン会場として使用され、4月のまつり当日には、さまざまな催し物やパレードが盛大に行われます。
来年の春、市内有数の桜の名所をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
・このかるたは、当館のボランティア市民学芸員が2017年に制作したものです。
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