先日(4/10)調査で訪れた丹沢の登山道に、フタバアオイの群落がありました。
この葉っぱを見てすぐに家紋を思い出す人は、通です。そう、あの決めゼリフとともに目の前に突き出される印籠に描かれた御紋。そのモチーフとなっている植物です。
しかし、あの家紋は三葉葵のはずでは…。
じつは、三葉葵は架空の植物です。二葉葵紋という由緒ある家紋も別にあるようですが、ともかく、葉そのものはどちらもこのフタバアオイを文様化したものだそうです。
フタバアオイは、ギフチョウの食草で知られるカンアオイに近いなかまです。特別珍しいわけではないのですが、なぜか、山中で出会うとちょっと嬉しい植物です。小さな頃からすり込まれた印籠の効果でしょうか。
(生物担当学芸員 秋山)