久しぶりに晴れ間がのぞいた9月7日、コヒルガオのつるの下で、もぞもぞ動くものがいました。捕まえてみると、すぐにカチッと丸まって、防御姿勢になりました。
これは、エビガラスズメというスズメガの仲間の幼虫です。動く様子がないので、食草の一つであるアサガオの葉と一緒に容器に入れてみました。しばらくすると、葉を布団のようにして頭を出して・・・
いやいや、だまされてはいけません。見えているのは、おしりの方です。角のように見えているのは、尾角(びかく)という突起です。
もう少し様子を見ていたら、本物の頭を出していました。
左側の小さな方が頭です。エビガラスズメに限らず、多くの蛾のイモムシの最後部には、尾角と呼ばれる突起がついています。この突起の役割については、以前のブログでも紹介しました。その時は、敵(小鳥)へ、いかにもつまみやすそうな突起に見せて、惑わせるしくみではないかと推測しました。エビガラスズメの尾角も同じでしょうか。
それにしても、ご丁寧におしりを頭のように見せているのは、敵を驚かすため?でも、小鳥が恐れるヘビの頭にはイマイチ見えません。どちらかというとカナヘビかトカゲですが・・国内のカナヘビ・トカゲ類は小鳥の餌になっても小鳥を襲うことはありません。頭と思って鳥がクチバシをつまんだとして、本物の頭を攻撃されるようりはマシということでしょうか。最初の写真の防御姿勢を見るとそんな気もします。
再び防御姿勢を取ろうとしたエビガラスズメです。
効果があるのかどうか不明ながら、懸命な擬態(ぎたい)を見ているとちょっとけなげで、あまりいじめてはかわいそうと思い、食草であるコヒルガオのつるに戻しました。