一般に“シラサギ”と呼ばれるのは、純白のサギ類の総称です。関東地方では主にダイサギ、チュウサギ、コサギと、大・中・小の3種類が含まれます。純白なだけによく似ていて、慣れないと識別は困難です。下の写真は、市内の相模川にいたダイサギ(右2羽)とコサギ(左)です。大きさの違いがよくわかります。
コサギは比較的識別が簡単で、足指が黄色いのが目印です。これはシラサギの中でコサギだけが持つ特徴です。
ちょっと難しいのが、ダイサギとチュウサギです。大きさは、大と小の中間というより、コサギに近い大きさです。下の写真は上がダイサギ、下がチュウサギです。でも、この写真のように並んでくれればわかりますが、1羽だけで見るとシルエットはよく似ているので難しいところです。
近くから観察できれば、顔にわかりやすい特徴があるので見分けられます。口角(こうかく)にあたる部分が、目の位置より後ろまで伸びているのがダイサギ(上の写真)です。目の位置くらいで止まっているのがチュウサギ(下の写真)です。さらに、嘴(くちばし)から額のラインが直線的なのがダイサギで、少し丸みのある額がチュウサギです。
チュウサギはこれらの3種の中では少し数が少ないのですが、秋のこの時期は稲刈り前後の水田でよく見られます。
ところで、ダイサギについてはさらにややこしい話があり、亜種(同種の中で、繁殖分布などが異なり形態的にやや違いが見られることから区別する分け方)としてチュウダイサギがいることです。亜種ダイサギと、亜種チュウダイサギについてはまた別の機会に紹介したいと思います。