人吉被災標本の返却が完了

令和2年7月豪雨で被災した人吉城歴史館(熊本県)収蔵の前原勘次郎植物標本を、全国の博物館などで洗浄乾燥処理を行っています。当館でも昨年の夏今年の夏に合計560点を受け入れ、博物館を拠点に活動するボランティアグループの相模原植物調査会のみなさんと作業にあたってきました。

相模原植物調査会のみなさんと生物分野実習生による作業

昨年も今年も、生物分野の実習生を交えて作業を行いました。100年以上前の歴史的標本も含まれる貴重な資料の洗浄乾燥という特異な作業の体験は、実習生にも強い印象を残しました。この作業を終えて、人吉市の受け入れ体制も整ったことから、9月30日に熊本県へと発送を済ませました。

8箱に詰められた返却標本

洗浄乾燥処理を行った標本はどれも、近年になってから地元の植物研究者が地道に整理作業を行い、きれいに整えられたものばかりでした。地域の生物多様性を示す貴重な資産である植物標本が、今後永久に保管、利活用されることを願ってやみません。

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