夏が終わって、空気中の水蒸気の量が少なくなり、星がきれいに見える季節になりました。
10月初め頃の宵の空はちょうど空を半分に分けるように、南から西にかけては夏の星や星座たちが、南から東にかけては秋の星や星座たちが見えています。
振り返って北の空を眺めると、一年を通して「北極星」を見ることができます。
北極星は常に空の真北にあるため、昔からとても注目されていました。
特に船乗りや旅人にとっては、方位を教えてくれる重要な星だったのです。北極星は2等星ですので、とても明るい星というわけではありません。いきなり見つけるのは少し難しいのですが、今頃の季節ですと、3つの方法で探すことができます。
1つ目は、カシオペヤ座を使います。10月初めの20時頃、北東の空に5つの星がアルファベットの「M」や「W」の形に並んでいます。図1のように、カシオペヤ座の両端の2つずつの星をそれぞれ結んで伸ばします。2本の線が交わった点と真ん中の星を結んでできる線を北へ5倍伸ばすと、北極星が見つかります。
次は夏の星空の目印である「夏の大三角」を使って探してみましょう。
図2をご覧ください。
こと座の1等星ベガとはくちょう座の1等星デネブを結んだ線を軸として、夏の大三角をパタンとひっくり返してみましょう。すると、わし座の1等星アルタイルの反対側あたりに北極星が見つかります。
3つ目はペガスス座の胴体の部分の星の並びである「秋の四辺形」を使ってみましょう。図3の秋の四辺形をよく見ると、上(北)の辺が下(南)の辺よりも少し短い形になっています。そのため、左(東)の辺の2つの星と、右(西)の辺の2つの星を結んで北へ伸ばすと、どちらも北極星を見つけることができます。
春から夏にかけては、北斗七星を使う方法もありますので、一年を通して北極星を見つけられることになりますね。
ぜひ、本当の空で探してみてください。