緊急事態宣言を受けての休館により会期途中で終了した博物館×公文書館共催 相模原町誕生80年記念企画「軍都さがみはら展~国内最大の町誕生物語~」のコーナー解説⑥を記します。今回が最終回となります。
今回は、特別に設けた「座間市資料紹介」です。
なぜ、座間市?と思った方もいたかもしれませんが、この軍都さがみはら展コーナー解説ブログの③「軍都計画と相模原町の誕生」で紹介したとおり、実は現座間市(当時は座間町)は昭和16年(1941)に誕生した相模原町域に含まれていました。
そのため、企画展では座間市から貴重な資料を借用し、ひとつのコーナーとして展示いたしました。
最初に紹介したのが文書資料で、①昭和12年(1937)の陸軍士官学校の移転・受け入れに関する文書、②昭和16年(1941)の相模原町合併に関する文書、③昭和23年(1948)の座間市分離独立に関する文書です。
そして、もう一つが企画展の展示資料の中で目玉ともいえる、最も大きい縦横とも1メートル以上あった海軍の戦闘機「雷電」の部品の一部です。
「海軍の戦闘機」と聞いて「?」と思った方も多いのではないでしょうか。実は、座間市域には高座海軍工廠(現在の相鉄線さがみ野駅の北側付近)という大きな海軍の軍事工場があり、そこで生産されていたのが雷電でした。
展示した部品はコックピット前部の部品で、次の雷電模型写真の赤い部分になります。
雷電は、ジブリ映画「風立ちぬ」の主人公としても登場する堀越二郎が設計に関わるなど、製造された昭和19年(1944)当時としては、非常に性能の良い戦闘機でした。
このコーナーでは、本市と座間市との関わりも紹介でき、陸軍の軍都でありながら実は相模原町域には海軍の施設もあったことなどを紹介できました。
この「軍都さがみはら展~国内最大の町 誕生物語~」では、相模原の歴史の大きな特徴である昭和10年代の陸軍施設の移転・建設、相模原町の誕生、軍都計画などについて紹介しました。そして、この軍都計画が戦後の相模原の開発、発展にも大きく影響していたことも伝えることができたと考えています。
これらの詳細は、『相模原市史 現代テーマ編~軍事・都市化~』ほか近現代関係の『相模原市史』などに掲載されていますので、当館や図書館等でご覧ください。(市役所行政資料コーナーや博物館ミュージアムショップで購入も可能です)
また、当館では軍都さがみはら展の展示解説動画を当館ホームページ「ネットで楽しむ博物館」に掲載しておりますので、動画もぜひご覧ください。
当館ホームページ「ネットで楽しむ博物館」
なお、この軍都さがみはら展コーナー解説①から⑤もよろしければご覧ください。