10月15日、緑区の相模川の河原へ調査に出かけました。カワラノギクの保全地では、数株が開花していました。
来週後半くらいには見ごろになりそうです。
ところで今回は、カワラノギクではなく、こちらの植物の生育状況を確認しに来ました。
カワラハハコです。カワラノギクと同じく、大きな河川の河原だけに生育するキク科の植物です。カワラノギクのような華やかさはありません。しかし、花弁を持たない筒状花(つつじょうか)だけで構成された、ドライフラワーのようなかわいらしい花が咲きます。
じつは、この河原は関東地方でも有数のカワラハハコの群生地です。下の写真は2014年の様子で、河原一面をカワラハハコが覆っているのがわかります。
その後、台風などにより水際の群落は土砂ごと流失し、現在は河原の少し高い場所にわずかに残るだけです。しかし、カワラハハコはもともとそうした流失と堆積を繰り返す河原に生育する植物なので、また数年で群落は復活すると考えています。ただ、この河原は最近、レジャー目的の車両の出入りなどが多くなったことや、シナダレスズメガヤなどの外来植物が繁茂するなど懸念材料もあるので、注意深く見守っていきたいと思います。
カワラハハコを探して歩いていたら、オニグルミの木を音もなく動き回っている鳥がいました。
ツツドリです。カッコウの仲間の夏鳥で、繁殖期は丹沢などの標高の高い山地に生息します。この時期は、低地のサクラなどを巡りながら、大好物の大型の毛虫やイモムシを食べて渡りに備えます。この時も、5センチメートルほどもある黒い大きなイモムシをいくつもつかまえて食べていました。
この時期はほとんど鳴かず、見つけにくい鳥なので、ちょっと得した気分になりました。