11月中旬となり、穏やかなお天気の朝夕に、フワフワと青白い虫が飛ぶようになりました。
雪虫あるいはワタ虫などと呼ばれる昆虫です。東北地方や北海道では、この虫が飛ぶころに初雪が降ることから、雪虫と呼ばれています。雪の少ない関東地方でもしばしば雪虫と呼ばれるのは、フワフワ飛ぶ姿が雪が舞うように見えるからかもしれません。
11月下旬くらいになると、腹部に生えている青白い毛が、さらに長い雪虫が飛びます。
これは、だんだんと毛が伸びていくのか、異なる種類が出てくるのか、よくわかりません。雪虫はアブラムシの仲間であることは間違いないのですが、いくつかの種類が含まれるようで、雪虫の姿からは種類を識別できません。
園芸植物の害虫としても知られるアブラムシ類は、春から秋の始めまでは、翅(はね)を持たずに単為生殖(たんいせいしょく:メスだけで繁殖すること)して増えます。しかし、冬を前にしたこの時期、翅を持つ成虫が現れて有性生殖(オスとメスが交尾をして繁殖すること)をします。
季節の風物詩である雪虫ですが、よくわからないことだらけの、不思議な昆虫です。