博物館周辺の樹林地内では、つる植物のヤマノイモが、美しく黄葉しています。
つるをよく見ると、ちょっといびつな丸い形で、黒い玉のようなものが付いていることがあります。
これは、むかご(無性芽:むせいが)です。むかごは、葉や茎の一部が肥大化して、地上に落ちるとそこから発芽して新たな植物体をつくる栄養繁殖器官です。
同じように芽を出す種子との違いは、むかごを割ってみると・・
種子に見られるような胚(はい:根や芽を形成する部分)がありません。地上に落ちるとむかごがそのまま根茎、つまり、芋になって表面から直接芽や根を出します。
むかごの中身は山芋そのものとも言えます。その証拠に、むかごの切断面をさわると、粘り気がありました。むかごも昔から食用にされ、炊き込みご飯(むかご飯)などで食べられてきました。