11月13日に大野南公民館の主催事業「秋のさわやかウォーク」が開催されました。相模原市立博物館の学芸員が境川の旧流路と関東ローム層の解説をしました。
境川にかかる森野橋の下で待ち合わせをしました。当日は快晴で、まさに「さわやかウォーク」を満喫できました。
まずは境川の旧流路を見学しました。下の写真の画面左下、緑のフェンスに囲まれたところが、旧流路です。後ろに写っているオレンジ色の橋が森野橋で、その下を現在の境川が流れています。
参加者の皆さんが見ている境川の旧流路はこんな感じです。この写真からもかつては曲がりくねりながら流れていたことがわかります。
現在の境川に沿って上流まで歩き、横浜線の鉄橋のところで、境川の川底の様子を観察しました。
境川で見られる礫(れき)は、約10万年前に相模川が上流から運んできたもので、境川の水量に比べると、大きな礫が含まれており、また、境川の上流には存在しない緑色凝灰岩(りょくしょくぎょうかいがん)の礫も含まれています。これらのことから、大昔には境川のあたりにも相模川が流れていたことがわかります。
境川の様子を観察した鉄橋のそばには、関東ローム層が観察できる崖があります。約10万年かけて少しずつ降り積もった火山灰が風化してできた地層です。ほとんどの火山灰は箱根や富士の噴出物ですが、崖の最上部には遠く九州から風に乗って運ばれてきた火山灰も含まれています。写真の中央に見られる黄色い帯状の部分は、箱根が約6万6千年前に大噴火を起こした時に降り積もった軽石の層です。
箱根の軽石層に近寄って観察することもできました。
近寄ると軽石の一粒一粒を見分けることができます。
身近にあるものの、普段はあまり気をつけて見る機会がなかった地形や地層に興味を持っていただくことができました。約10万年におよぶ相模野台地の生い立ちにロマンを感じた方もいらっしゃったようです。