11月26日、箱根町の仙石原で、環境省や神奈川県公園協会などが主催する「箱根の自然に親しむ運動 箱根の冬鳥観察会」が行われ、当館学芸員が講師として参加しました。
朝から雲一つ無い青空に、まぶしいほど鮮やかな紅葉に染まる仙石原という絶好のシチュエーションでした。
冬鳥にはまだちょっと早めの季節でしたが、紅葉をバックに飛び回るエナガを全員で見ることができました。
途中、茂みの中にあったウグイスの古巣が落葉で丸見えになっているのを見つけたり・・
モズを観察していたら、参加者が「はやにえ」(モズが貯食などの目的で捕まえた獲物をとがったものに刺す行動)を見つけてくれました。
季節の風物として言葉は聞いたことがあっても、実物を見るのは初めてという参加者が多く、歓声があがりました。
湖尻水門ではカワセミを全員で観察したり、樹林の上空を飛ぶミサゴ(タカの仲間)を見たり・・、そして、ヤママユガの繭やモグラ塚、マツカゼソウの強いニオイを体験したりと、野鳥だけでなくいろいろなものを観察できました。
最後は、参加者のみなさんに、この日に観察した野鳥の中で一番印象に残った種類をそれぞれ頭に思い描いてもらいました。そして、お一人からその特徴を一つだけ言ってもらい、他の方にその種類を当ててもらう「連想ゲーム」をやりました。4名の方から、エナガ、ハシボソガラス、カワセミ、トビが上がりました。この4種が、必ずしも珍しい鳥だけではないところに、じっくり充実した観察をしていただいたことが表れていてちょっと嬉しくなりました。
お天気にも恵まれて、晩秋の箱根を満喫する観察会となりました。