「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No86 どんど焼き・団子焼き①)

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

これまで本ブログでは、正月の準備から正月行事について記してきました。それらは各家ごとに行われるものですが、年が明けて地域全体での代表的な行事に「どんど焼き」があります。

各家の正月飾りを集めて燃やし、その火で団子を焼いて食べるこの行事は、以前は曜日に関係なく、成人の日(15日)の前日の14日に行われることが多く、現在では成人の日が第2月曜日になるなどにより日取りが地区によって異なっています。また、「団子焼き」とも呼ばれる一方で、今では「どんど焼き」が一般的になっています。

博物館でも、毎年、各地区のどんど焼きを撮影しており、多くの写真を保管しています。今回は、20世紀に撮影した比較的古い時期のものを取り上げます。

最初の写真は、ブログNo.43でも紹介した南区当麻・宿(上宿)地区で、お飾りを燃やして団子を焼いています(昭和62年[1987]1月14日撮影)。この写真では、奥に藁製の屋根が写っており、これはどんど焼きの際に、地区でまつる道祖神(どうそじん)の石仏を覆うように作るもので、どんど焼きは道祖神の祭りと言われています。                  

 

次の写真は、その翌年(昭和63年[1988]1月14日)に正面から写したところで、中の石仏がよく見えています。                  

 

そして、上宿の隣りの地区である中宿・下宿では、同じ日(昭和62年[1987]1月14日)に各家から団子を焼くために多くの人々が集まって団子焼きが行われます。                   

 

次の2枚の写真は中央区田名・望地(もうち)地区で、博物館の行事でフィールドワークの講座を行っていた際に偶然に行き当たり、撮影させていただきました。グランドになる広場で行うために地面にトタンを敷き、その上に積んだお飾りに点火するところと、団子を手にして、今や遅しと団子が焼ける火加減になるのを待っている子どもたちです(平成12年[2000]1月16日)。                  

 

燃やすために集めたお飾りは、地区によって高く積み上げることも見られます。最初の写真は緑区佐野川で、円錐型(えんすいがた)にしていますがお飾りだけでなく、燃やすものを大きくするため木の枝や杉葉なども積まれています(平成元年[1989]1月10日)。                   

 

また、南区大沼では、中心に竹を据えてさらに大きく作っています(平成3年[1991]1月11日)。                   

どんど焼きはこの他にも各地の写真があり、次回も引き続き取り上げます。

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