1月29日、博物館お隣の樹林地で野鳥の調査を行いました。すると、遠くから視線を感じます。
ハクビシンが歩いてこちらへ向かってきます。特に警戒する様子もなく近づいてきたのですが、さすがに気配を察したのでしょう。くるりとUターンし、こちらを時々伺いながら来た道を戻ります。
その向こうはフェンスなのでどうするのかなと見ていると、するすると音もなく登ります。フェンスの上を、尻尾でバランスをとりながら器用に歩いていきました。
博物館のフェンスの上端はワイヤーが立体的に組まれていて、平らになっていないため、歩きやすくないはずです。しかし、ハクビシンは電線を綱渡りするように歩く姿も目撃されることがよくあります。フェンス上を歩くなんて朝飯前なのかもしれません。外来種のハクビシンは、相模原全域に生息しています。こうしてフェンスや電線の上をうまく利用しながら都市部にも分布を広げてきたのでしょう。
このハクビシンはその後、倒木を渡って樹林の中へ消えていきました。
後から写真をよく見ると、このハクビシンは右目が陥没していて、おそらく何かの事故で右目を失明しているようでした。それでも毛並みも悪くなく、真冬のこの季節を過ごしている様子にたくましさを感じました。