相模原市緑区には、いずれも人間の手によって造られた五つの湖(人造湖)があるのはご存じでしょうか。今回のブログでは、これらの湖を紹介したいと思います。
なお、掲載した写真は、いずれも博物館が企画した市民の皆様と一緒に歩くフィールドワークの講座の際に撮影したものです。
神奈川県による相模川総合開発事業により、用水の確保と水力発電、洪水時の水量調節を目的として城山ダムが建設され、それに伴って昭和40年(1965)に完成したのが津久井湖です。
最初の写真はダム展望台から見た城山ダム、二枚目は三井(みい)地区から津久井湖を望んだもので、右手奥の高い山が津久井城跡です(平成18年[2006]4月26日)。
津久井湖より相模川の上流にあるのが相模湖(相模ダム)です。県の相模川河水統制事業により、すでに昭和15年[1940]から工事が始まっていましたが、完成したのは戦後の22年[1947]でした。
次の写真には相模ダムと記されているのが見えます。二枚目の写真に写っているのは相模湖大橋で、相模湖を渡る道路橋です。また、真ん中付近には湖面にボートが浮かんでいます(平成20年[2008]2月23日)。
平成12年[2000]に完成したのが宮ケ瀬(みやがせ)湖です。相模川支流の中津川に建設されたもので、市内で直接的な影響を受けたのは鳥屋(とや)・串川(くしかわ)地区の山林が主でした。
写真は清川村側から見た宮ケ瀬湖で、右側にあるのが大吊り橋です。また、宮ケ瀬湖はジャンボクリスマスツリーが有名で、ツリーを飾るところがその左側となります(平成18年[2006]12月2日)。
これまでの三つの湖に比べて、一般にはあまりなじみのないのが奥相模湖(道志ダム)です。青根(あおね)と牧野(まぎの)地区を挟み、相模川支流の道志川に新たな電力と水の供給を目的として、昭和30年[1955]に造られました。
写真は、緑の休暇村青根キャンプ場から牧野方面に抜ける道から撮影したものです(平成19年[2007]3月17日)。
最後に取り上げるのは、津久井湖とともに昭和40年に完成した城山湖(本沢ダム)です。これまでの湖のように川の流域ではなく、沢をせき止めて造られました。南側の下方にある津久井湖との間で、水のポンプアップと放水を行って発電しています。
写真は平成30年[2018]11月29日撮影で、城山湖は10年に一度の割合で水を抜いて点検をしており、その間は普段見ることができない光景を確認することができます。
今回紹介した湖は、いずれも周辺にそのほかの見どころもありますので、機会があれば訪れてみてはいかがでしょうか。その際には、多くの家が水没するなどの歴史があったことを知るのも大切なことと言えましょう。