2月26日朝、博物館駐車場でたくさんの鳥が地面に下りて何かをついばんでいました。近づくと一斉に飛び立ち、その数約150羽。イカルという野鳥でした。この時は出勤してきたところだったためカメラを持っていなかったのですが、その後、カメラを携えて出てみました。残念ながらもう駐車場にはいなくて、お隣の樹林地にいました。
高い木の上の方や、込み入った枝の奥に止まっているため、「キョッ、キョッ」という地鳴きや「ヒーコキー」という軽やかな鳴き声が聞こえてくるものの、姿はなかなか見られません。この時は冬芽をむしり取って食べているようで、食べ残した冬芽の殻などが落ちる音がします。イカルの数が多いので、結構大きな音でザワザワと聞こえてきました。
地面で採食している時は、落ちた種子などを拾って食べているのでしょうか。パチパチという音がかなりの音量で聞こえました。
イカルは博物館付近では通常、冬の間に数羽から10羽前後の小さな群で行動しています。今回のような大きな群は、おそらく北から雪だるま式に小群を巻きとりながら増加した群が通過しているのでしょう。昨年も、2月9日に同じ規模の群に遭遇し、このブログに記事を掲載しました。
それにしても、植物の側から見ると、あんな勢いで冬芽が食べられてしまっては春に芽吹くことができないのではないか?と心配になります。でも、イカルの群を見ていると、おそらく食べ尽くすということはなくて、結構落ち着きなく動き回り、何かの拍子に一斉に飛び立って場所を移動しています。イカルが約150羽というと大群ですが、冬芽は1本の木に数千、あるいは大きな木なら数万かそれ以上付いているはずですから、食べ残しも多いことでしょう。また、たいてい、食べられた冬芽は小さな予備の芽があり、そちらが成長して芽生えることができます。
イカルの大群は、滞在したのは結局この1日だけだったようです。右往左往するように移動していき、そのうち春が進むと、徐々に北へと帰っていくのでしょう。