本ブログ「博物館収蔵資料紹介」の初回に当たる前回では、南区磯部にあった和菓子店・吉川屋の菓子作り道具を取り上げました。当家の資料にはそのほかにも興味深いものがあり、引き続き今回も紹介します。
最初の写真は何だと思いますか。和菓子というとアンコがつきものですが、その餡(アン)にするために茹でた小豆の水分を抜くのに使った絞り機です。高さが約90cmあり、一連の菓子作り道具の中では比較的大きいものです。
次のものは何だかすぐお分かりでしょうか。吉川屋では和菓子の製造・販売のほか、夏場には店頭でかき氷も売っていて、その氷削り器です。下側にあるのは、かき氷を入れるのに使っていたガラス皿と食べるためのスプーンです。
最後の写真は重さを量る台秤(だいばかり)です。実は和菓子屋として営業しながら砂糖などを売っていたそうで、それらを量るために使われました。確かに和菓子屋には砂糖があり、小売りをする商店としての性格も持っていたことが分かります。
当家からは、このほかにも各種の菓子製造用具や菓子を運搬する木箱、つめ合わせる紙箱、看板、書類など、さまざま資料を寄贈いただきました。このような資料を見ることでかつての地域の生活の状況をうかがうことができます。