梅雨らしい空模様が続く6月16日、博物館の駐車場の植物は元気いっぱいです。昨年、ナラ枯れによって伐採されたコナラの切り株の周囲は、明るくなったために様々な草木で覆われています。
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コナラの切り株(シートが掛けられている部分)
そんな中に、ホタルブクロの花を見つけました。博物館の前庭には以前からありましたが、駐車場で咲いた記憶はありません。眠っていた埋土種子(まいどしゅし:地面の中で休眠状態の種子)が、日照で覚醒したのでしょうか。
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ホタルブクロ・・?
ホタルブクロには、よく似た変種(へんしゅ:同じ種だけど、やや異なる形態の特徴があるものを分ける場合の分類)のヤマホタルブクロがあります。どっちかな?と近づいて見ると、なんと、上の写真の左側はホタルブクロで、右側はヤマホタルブクロでした。識別点は、花の付け根の萼片(がくへん)の形にあります。切れ込みの股の部分が反り返るのが、ホタルブクロです。
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ホタルブクロ 萼片の股の部分がはっきり上に反り返っています
同じ部分が反り返らず、少し膨らんでいるだけなのがヤマホタルブクロです。
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ヤマホタルブクロ 反り返りは無く、やや膨らんでいるだけ
たまたまヤマホタルブクロが1株混じっているのかと思い、咲いている株を確認してみました。すると、半々くらいの株数で両変種が混じって咲いていました。隣同士で咲いている花を寄せて撮影しました。花色が、ヤマホタルブクロの方が若干濃い目のものが多いのですが、ほとんど差はありません。
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ホタルブクロ(左)とヤマホタルブクロ(右)
野外でも時々、隣り合って咲いている場合があります。しかし、博物館の駐車場でこんなふうに混じり合って咲くとはちょっと意外でした。