博物館周辺の樹林地で、夜の生きものの様子を写真資料にするため、調査を行いました。
出だしから大物が登場です。
オオミズアオです。幅15センチメートル以上もある大型の蛾で、青白色の翅(はね)にえんじ色の縁取りがとてもオシャレですね。
8月も下旬になりましたが、セミはまだまだ羽化が続いています。アブラゼミの羽化をじっくり観察しながら撮影しました。
ヤブランの花につかまっていたので、ライトを当てると鮮やかな色合いが浮かび上がりました。
夜の調査は安全のため、一人では行いません。この日は生物分野の博物館実習生も立ち会ってくれました。
宇宙人!?と思ったら・・
オオカマキリでした。昼間は体と同じ色をしている眼が、真っ黒く見えています。
これは、光を取り入れやすくするため、とされています。でも、カマキリの眼は複眼です。哺乳類のように瞳孔を広げたりするわけではないので、どんな仕組みになっているのか、不思議ですね。
こちらはニホンカナヘビです。ススキの葉をよく探すと、あちらこちらでこんなふうに寝ています。
不安定な葉の上で寝るなんて無防備に見えます。でも、考えてみると、地上で寝ていたら、夜活動することが多いタヌキやアライグマの餌食になってしまいます。少し高くて、少し不安定な場所で寝ている方が安全なのかもしれません。
夜の花、カラスウリもまだかろうじて1輪だけ咲いていました。
こちらも夜の花、メマツヨイグサです。昼間は閉じている花も夜はしっかり開いています。
こちらは夜だけ咲くわけではありませんが、センニンソウの花です。昼間とはまったく異なる美しさがあります。
博物館へ戻ると、壁にニホンヤモリがいました。
夜間照明の近くにいたので、集まって来る昆虫を狙っているのでしょう。
夜は身近な生きものたちの、別の表情を見ることができます。身近だからこそ面白い、夜の自然観察でした。