博物館収蔵資料紹介~鉄道に関する資料

職員ブログでは、これまで生活に係わるいろいろな道具類を紹介してきましたが、博物館ではこのほかにもさまざまな資料を収集・保管しています。今回は、交通に関する資料の中でも鉄道を取り上げます。

最初の写真は、JR横浜線の古淵駅が昭和63年(1988)3月13日に開業した際に、その記念列車に取り付けられたヘッドマークです。町田~淵野辺駅間の新駅の設置は長らく計画されていましたが、駅周辺の大規模な区画整理の実施とともに古淵駅が新設され、また、国道16号沿線には大型スーパーが出店しました。                 

 

次の二枚の写真は、横浜線相模原駅で第二次世界大戦後から昭和47年(1972)まで使用されたホーロー製の看板で、最初の「入口」と「出口」の看板は33㎝×45㎝、次の一番線と二番線を示す「1」と「2」は48㎝×30㎝ほどの大きさです。こうした看板は、今では見かけることもなくなりました。                 

 

次の写真は紙資料で、JR中央線与瀬駅(現相模湖駅)の時刻表です。明治34年(1901)に開業した与瀬駅は、昭和30年(1955)に相模湖町が誕生した翌年の31年に相模湖駅に改称しました。

昭和5年(1930)10月1日に改定された時刻表で、一日に上下線が8~9本運転されていたことが分かります。上りはほとんど飯田町駅(現在は廃駅)行き、下りの行先はさまざまで、中央線の終点である名古屋駅や、塩尻から篠ノ井線に入って長野駅まで行くものもありました。

なお、東京日日新聞は現在の毎日新聞で、右上の建物は東京日日新聞社全景です。新聞の購読者に配られた時刻表と思われます。                

 

最後の写真の盃(さかずき)は直径9cmほどの小さなもので、盃の内側には丸く甲の文字がデザインされています。甲の字が示すように、明治時代に運行していた私鉄の甲武鉄道株式会社の記念盃で、甲武鉄道は現在の中央線の御茶ノ水~八王子駅間を走っていました。盃には明治三十九年九月とあり、明治39年(1906)の翌10月には国有化されて甲武鉄道はなくなりますので、その記念として出されたものと考えられます。                 

 

博物館が保管している鉄道関係の資料は、このほかに横浜線の敷設に関するものなど書類が多く、実物資料はそれほど多くありませんが、今後とも機会があれば収集していきたいと思います。

 

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