みなさんは南区上鶴間本町にある「中村遺跡」をご存じでしょうか?
中村遺跡は1979年以降、複数回発掘調査が行われており、旧石器時代から江戸時代まで遺構、遺物がみつかっています。境川流域での本市を代表する遺跡の一つです。
9月には中村遺跡の説明板が設置されました。これを記念し、上鶴間公民館・文化財保護課・博物館によるミニ展示、現地をめぐるてくてくガイドなどを企画しています。
9月16日(金)、上鶴間公民館にて中村遺跡から出土した旧石器時代の石器をはじめとし、縄文時代、古墳時代、平安時代の土器や、さらには室町時代の古銭を展示しました。いずれも各時代の特徴的な資料です。このミニ展示は9月30日(金)の正午まで開催していますので、ぜひご覧ください。
今回の中村遺跡説明板の設置で重要な点は、地域の歴史資源を掘り起こし、その内容を地域の魅力として発信していくことを市民協働で行っている点です。市民向けのより分かりやすいものとして「歩いて発見 かみつるまてくてくマップ」が2021年3月に発行されました。
このマップは地域の方々が地域の歴史や文化財を徹底的に学び、どのように発信するのか考え抜かれた成果だと思います。
このマップのタイトルには「歩いて発見」というキーワードがあり、歩きながら地域の重要な歴史や文化財を学ぶというスタンスが表明されている点も見逃せません。まさに足元にある歴史にどこまで気づけるか、そしてその重要性をしっかり後世に伝える強い意志を感じます。
夏が過ぎ、これから秋に向けて暑さが和らぎますが、地域に眠る貴重な歴史を現地で学んでみてはいかがでしょうか。