ひつじ雲

10月21日、午後の空にひつじ雲が広がりました。博物館の屋上に出てみると、西側の空が一面覆われていて、遠近感のある美しい空の景色でした。大山を中央に見た方角です。

丹沢方面を眺めた空に、ひつじ雲

ひつじ雲は、雲のできる高度の分類では中層(2000~7000メートル)にできる高積雲になります。さらに、上の写真のように一面に広がる状態を雲の種類では層状雲と呼びます。シートを広げたような雲(cloud)なので、英語でもクラウド・シートと呼ばれます。層状雲は、空の広い範囲に均一に広がるため、空を広く見上げられる場所ではダイナミックな遠近感を感じられます。

ひつじ雲やいわし雲(巻積雲)は、遠近感を感じやすい雲です

博物館から、特別公開(本日はオンライン)真っただ中のJAXA相模原キャンパス方面の空です。光に向かって進む、羊の群れの最後尾といったところでしょうか。

博物館から南東側の空

写真を撮影して館内に戻り、1階エントランスからふと天窓を見上げると・・

1階の天窓から見えた空

ひつじ雲からたくさんのすじ雲が出ていました。これは雲の分類では副変種の尾流雲(びりゅううん)と呼ばれ、高めの高度の雲からの降水が、空中で蒸発してしまうため雨にはならず、すじ状に見えているものです。美しいひつじ雲をさらに装飾する尾流雲を見られ、ちょっと得した気分になりました。

ひつじ雲の雲片からすじが流れ、尾流雲となっています

青空に広がる層状雲は、いかにも秋の空のイメージがありますが、実際にはどの季節にもできます。この季節は気温も高すぎず、晴れた空を見上げる余裕が生まれるからでしょうか。確かに秋は、雲観察をしたくなる季節です。

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