11月19日、学びの収穫祭を開催中の博物館に、市内南区で採集されたアカギカメムシが届けられました。
このカメムシは、日本では南西諸島などに生息する大型のカメムシ(写真の個体の体長は約25mm)です。時々、本州などで見つかることがありますが、物資の移動などに伴って来るか、あるいは長距離を移動している可能性があるとも言われています。『神奈川県昆虫誌2018』(神奈川昆虫談話会)によれば、県内での確実な記録は2件しかありません。博物館の把握している情報としても、相模原市内では初記録となります。
カメムシ類をはじめ、全国各地でこうした南方系の昆虫の確認記録が徐々に増えているようです。これが偶発的なものなのか、分布を北へ広げる傾向の端緒なのかはまだわかりません。いずれにしても、この重要な記録となる採集個体を持ってきてくれたのは、南区在住の白神(しらが)俊介君(小学4年生)です。
学びの収穫祭を観覧中の本村賢太郎市長ともパチリ。
アカギカメムシを捕まえて、「珍しいかも?」とひらめいてくれた俊介君の「生きものセンサー」に感謝しつつ、提供してくれたアカギカメムシを博物館の資料として登録させていただくことにしました。
【追記】(11月22)
このブログ記事をご覧になった、県内の昆虫の分布情報に詳しい方から、相模原市内の緑区で2016年と2021年にアカギカメムシの記録があることを教えていただきました。上記の記録は市内「初」ではありませんでしたが、市内で分布が広がりつつあることを示す重要な記録であることは間違いありません。アカギカメムシの今後の動向に注目していきたいと思います。情報を下さった方に心よりお礼申し上げます。