11月20日、市内の小学3年生がご家族と博物館へ「これはなんですか?」と質問に訪れました。
「卵?」「虫?」「タネ?」・・いったいなんなのか、想像がつきにくいですね。
これは二つとも、虫こぶ(虫えい、あるいはゴール)と呼ばれるもので、植物体の一部が肥大して「こぶ」になっています。このような虫こぶができる原因は、アブラムシやハエ、ハチなどの昆虫や、ダニなどが奇主(ホスト)となる植物になんらかの刺激を与えて、細胞を異常増殖させるようです。今回持ち込まれたのは2種類で、こちらはクヌギハケタマフシと思われます。
こちらは、ヨモギクキタマフシです。
虫こぶの説明をすると、中がどうなっているのか興味を持ってくれたので、割ってみることにしました。クヌギハケタマフシは、中に小さな空洞ができていて、その中に幼虫がいました。これは、クヌギハケタマバチの幼虫と思われます。
ヨモギクキワタフシも割ってみたのですが、こちらは中身のとらえどころがなく、なかなか虫のいる部屋がわかりません。そこで、葉についている方の虫こぶが丸くわかりやすかったので、こちらを割ってみました。すると、中に蛹(さなぎ)が入っていました。
小さくてつかみどころのない虫こぶで、割るのに苦労していたためうっかりしたのですが、後から調べてみると、これはヨモギクキワタフシとは別の種類の虫こぶで、ヨモギハシロケタマフシというものでした。中身は、ヨモギシロケフシタマバエの蛹と思われます。
申し訳ないことに、持ち込んでくれた小学生に間違ったことを伝えてしまいました。
同じヨモギの茎と葉に別の虫こぶがつくのはよくあることで、虫こぶとしても植物体のどこに着くかは重要なポイントです。注意深く観察しなければと、改めて思いました。