先月、つまり昨年12月末のことになりますが、市内緑区の林道へ、ガガイモのタネ(種子)を採集しに行きました。なぜかというと、生きものミニサロンなどのイベントで使用するためです。ガガイモのタネは典型的な風散布型の種子で、大きな綿毛を使って空中を長く漂うことができるからです。
同じ風散布型種子のタンポポの綿毛よりもだいぶ大きくて、立派な綿毛です。そして、ガガイモは種子が固い鞘(さや)の中にぎっしり納まっています。それを取り出した瞬間にふわりと綿毛が広がり、その様子がとても美しいのです。そんなわけで、イベントでも鞘から取り出したところをお見せしたいため、結実期の12月頃、採集しに行っています。
しかし今年はちょっと時期を外してしまったようで、すでにこのように、鞘が割れて中身が出かかっているか、空になってしまっていました。
ちなみに、ガガイモの花は夏の終わりに咲きます。
ガガイモは特に珍しい植物ではないのですが、どこにでもあるというものでもなく、いざ種子を鞘ごと取ろうとすると意外と苦労します。
落葉樹はすでに葉が落ちて、カラスザンショウの枝は葉痕(ようこん:葉が落ちた痕)と冬芽でかわいい顔が現れていました。目や口のように見えるのは、維管束痕(いかんそくこん:水分や養分を通り道の痕)です。
こちらはつる植物のヒヨドリジョウゴです。明るい朱色の果実が西日に照らされていました。
残念ながらガガイモの種子は少量しか採集できませんでしたが、飛んで行った種子が発芽して増えてくれれば、材料も取りやすくなるので、気長に待ちたいと思います。