1月15日、相模原市教育委員会主催で「勝坂を学ぼう!冬の里山でバードウォッチング」が行われ、学芸員がお手伝いをしてきました。この事業は、勝坂遺跡でガイドなどを行っている勝坂遺跡活用実行委員会が主管して、年間をとおして様々な分野の学習会を開く中の1回として実施されました。勝坂遺跡は国指定史跡で、その段丘面の南側に谷戸があります。
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勝坂谷戸の景観
有志のグループが水田耕作などをやっており、谷戸の環境が維持され、希少な動植物が生息しています。タイトルはバードウォッチング、つまり野鳥観察ですが、いろいろなものを観察しました。例えば、谷戸を縦断する野道の途中にある湧水や、それを祀った(まつった)祠(ほこら)については、実行委員会の方に解説をお願いしました。
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有鹿(あるが)神社について解説
湧水、つまり川の源流を見る機会はなかなか無いので、みなさんで見学したりしました。また、植物の冬芽を観察したり、エノキの枝についたままの果実を見たりしました。
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エノキの果実が枝にたくさん残っていました
エノキの果実や、他にもムクノキの果実がたくさん枝に残っているので、今年は冬鳥の渡来が遅いことがわかります。しかし、途中で観察したツグミが群れでムクノキの果実を食べていたので、じきにこの果実も食べられていくでしょう。
野鳥の方は、ヒヨドリがたくさんいたため他の鳥の鳴き声がちょっとかき消されていて確認しにくかったのですが、いくつか印象的な鳥に出会いました。例えば、シメです。
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シメ
まるっとした体つきや、太い嘴(くちばし)が印象的でした。
また、最後に全員で観察したコゲラです。
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コゲラ
日本で一番小さなキツツキということで、その小ささ、かわいらしさとともに、枝をコンコンとつつく音を全員で聞くことができました。
終了間際に、心配していた雨が少しぱらついてきて、ちょうどよいタイミングで終了となりました。