現在、開催中の「令和4年度かながわの遺跡展 縄文人の環境適応」で展示中の資料を紹介します。
今回は「注口土器と土偶」。注口土器は今から約4200年前の縄文時代後期に一般化した土器で、注ぎ口がつけられ、急須あるいはヤカンのような形状です。展示では綾瀬市上土棚南遺跡から出土した資料を紹介しています。
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こちらが注口土器。左は注ぎ口が破損してみつかったものです。(左:高さ10㎝、右:高さ12㎝)
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高さ8㎝の小形の注口土器。しっかり注ぎ口があります。
縄文土器と言えば深鉢形がよく知られていますが、注口土器はなんともユーモラスな形をしています。何に使われたのかはっきりしませんが、お酒を入れたり、祭祀に使ったものと推測されています。よく見ると細かな沈線や縄文が施文されているのが分かります。
また、綾瀬市上土棚南遺跡の土偶を3体展示しており、いずれも綾瀬市の指定文化財に指定されています。
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中空土偶に手足があります。高さ:22㎝ 黒味が強い部分は復元部分
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筒形土偶の胴部。頭は見つかっていません。高さ:14㎝
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筒形土偶の顔
これらの注口土器と土偶から上土棚南遺跡の縄文人はどのような祭祀をしていたのでしょうか??実物から想像してみるのも面白いと思います。
本展示は3月5日(日)まで開催しています。また、3月4日(土)には展示解説がありますので、ぜひご参加ください。