前回(https://www.sagami-portal.com/city/scmblog/archives/31363)に引き続き、さまざまな信仰に関する資料を紹介します。
お稲荷さんをまつる稲荷講は、市内でも盛んに行われていたことを紹介しました。最初の写真は、稲荷講の際に飾った幟(のぼり)です。稲荷講では、2月の初めての午(うま)の日である初午の日に仲間が宿(やど)に集まって講(こう)を行う一方で、こうした幟を2月1日に宿になった家の庭に立てました。
ここには文政10年(1827)と書かれた幟があり、写真の幟は新しく見えますが以前からあった幟を年代などそのまま新調したものです。寄贈当時(昭和60年[1985])の稲荷講には新しい幟を使い、博物館に古い幟が寄贈されました(収集地・南区当麻)。
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神社や寺院からはさまざまなお札が出され、ご利益があるようにいろいろなところに飾ります。次の写真は、栃木県の古峯(ふるみね)神社のもので、中央区田名の久所(ぐぞ)集落では講を作って火災除けとして信仰し、枝の先にお札をはさんで、火を使う場所に刺しておきました。
次の写真の左側には、神棚などにお神酒(みき)を供える徳利(とっくり)が写っており、徳利の口には、細かく割った竹をきれいに編んだ神酒の口(みきのくち)と呼ばれるお飾りが差してあります(徳利、神酒の口ともに収集地・南区磯部)。
そして、神酒の口は形によって名称が付けられていて、真ん中が橘(たちばな)、右側が一つ玉(ひとつだま)です。神酒の口はお飾りとして正月前に購入しました。
南区新磯地区には神酒の口を作って売る人たちがいて、前の写真の橘や一つ玉は、昭和60年(1985)に南区新戸(しんど)にお住まいだった、地域で神酒の口を作ることができる最後の方に製作をお願いしたものです。写真はその時の様子です。
中央区田名八幡宮で1月6日に行われる的祭(まとまち)は、地域の四名の子どもたちが順番に大きな的に向かって弓で矢を射て、その当たった結果で新年を占う行事として有名です。
博物館では昭和50年(1975)に寄贈された弓矢を保管しており、田名の的祭は相模原市を代表する行事として、市の無形民俗文化財に指定されています。