2月25日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、2月恒例のスギ花粉の観察です。
花粉症の代表的な原因物質であるスギ花粉ですが、煙のように舞っているのを見たことはあっても、実際どんな形なのか見たことの無い人も多いようです。そこで、博物館の公用車の上に降り積もった花粉を自分で採集し、それを顕微鏡で観察してもらいます。
スギの花粉は小さくて見るのが難しいため、練習がわりに前庭で咲いているウグイスカグラの花粉も観察することにしました。
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ウグイスカグラの花
顕微鏡観察も野外で行います。プレパラート(顕微鏡観察できる状態にした試料)の作り方と、顕微鏡の使いかたを説明します。
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顕微鏡の使い方を説明
ウグイスカグラの花粉を落としたスライドグラスへ、慎重に水滴を落とします。
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水滴は1滴で!
ウグイスカグラの花粉は大きくて、すぐに見つかりました!角度によって五角形にも見える、不思議な形です。
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ウグイスカグラの花粉の写真(60倍で撮影したものを切り抜き)
そしていよいよ、スギ花粉の採集です。絵筆を使って掃き集めます。
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公用車のフロントガラスから採集します
ピント合わせなどに苦労しながら花粉を探します。
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ウグイスカグラよりも花粉がだいぶ小さいので、探すのに苦労します
それでもみなさん、次々に見つけてくれました。そして、倍率を上げると、スギ花粉の特徴的な形も見ることができました。
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見えるかな?
スギの花粉は、まん丸くて突起が一つあるのが特徴です。
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スギ花粉(博物館の室内で撮影したもの:600倍)
昨年は、スギ花粉の飛散量が少なくて採集できなかったため、標本から採った花粉を見ていただくことになってしまいました。しかし今年はたくさん飛んでいるためか(それはそれで困ったことですが)、全員が採集、観察できました。
参加された方にうかがってみると、大人のほぼ全員が花粉アレルギーをお持ちでした。“敵”を知るのも必要と、みなさんしっかり観察していました。
次回は3月25日(土)12時からです。