博物館では市内に分布する絶滅危惧植物のうち、いくつかの種について系統保存のための栽培を行っています。そのひとつであるオキナグサが開花しました(一般の方が入れない場所で栽培しています)。
オキナグサは、山地の斜面が崩落などによってガレ場(裸地化)になると、真っ先に進出してくるパイオニア植物です。神奈川県内では、丹沢山地の斜面にわずかに分布するほかは、相模原市内で2カ所ほどに自然分布するだけの希少な植物です。オキナグサの名は、全体に白い毛が密生する様子を、翁(おきな)の髭(ひげ)に見立てたものです。
さて、先日もこのブログで紹介したコブシがきれいに開いています。
コブシの花びらの数を数えると、6枚のものがほとんどです。ただし、植物学的に見ると、6枚は正解になりません。花の下に、小さくて丸く反ったものが3枚ついています。これも構造上、花びらに含まれるものです。
こうした多層構造になった花びらを「花被(かひ)」と呼び、ユリの仲間などにも使われる用語です。ちなみに、ユリは外側3枚、内側3枚の花被で花が構成されています。コブシの場合は、3枚×3層=9枚の花被ということになり、内側の2層の花被片が大きく目立つため、花びらが6枚に見えるのです。
さて、度々お伝えしているヒレンジャクの群れは、3月14日までは30羽近くが博物館周辺にいましたが、3月17日現在は、数羽にまで減りました。
また群れがくっついたり離れたりしながら移動するのでこのままいなくなるかはわかりません。しかし、そろそろレンジャクフィーバーも過ぎ去ろうとしているようです。