現在、1階エントランスで開催中のミニ展示「日本の植物学の父、牧野富太郎」は、NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルである牧野博士を紹介しています。
ドラマでは、今週のタイトルが「キンセイラン」でした。そこで急遽、相模原市にも分布するキンセイランの標本を展示しました。
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キンセイランの押し葉標本
キンセイランは全国に分布する野生ランですが、数がとても少なく、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類、神奈川県のレッドリストでは野生状態で絶滅危険性が最も高い絶滅危惧ⅠA類に区分されています。じつは、神奈川県内では相模原市内の2カ所にしか生育しておらず、株数もほんのわずかです。それも、発見されたのは2011年で、相模原植物調査会の会員が見つけたものです。
ラン科の多くは、標本化するために乾燥すると真っ黒になってしまい、生育時の美しさが消えてしまうため、写真も掲示しています。
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キンセイラン(相模原市内で撮影)
当館でも1点しかない貴重な標本でもあるため、展示は来週いっぱいまでとなります。お見逃しなく!
そしてこちらの顔出しパネルもご好評いただいています。
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顔出しパネル
牧野博士はたくさんの写真を残していますが、その多くがサービス精神旺盛であることを示す楽しいものです。その中でも「お化け」と題された写真はインパクトが大きいので、ご提供いただいた高知県立牧野植物園の許可をいただき、顔出しパネルにしてみました。ご来場の際はぜひ記念写真を撮ってみてください。
(生物担当学芸員)