4月22日、ミニ企画展「日本の植物学の父 牧野富太郎」の関連イベントとして、トークショー「植物に生涯を捧げて 牧野富太郎の足跡」を開催しました。
NHK朝ドラの効果はやはり大きく、たくさんの皆様にご来場いただきました。講師の山本正江さんは、昭和37年から東京都立大学牧野標本館の職員として牧野標本に関わってこられました。おそらく、誰よりも牧野標本を手に取ってこられた方です。
かつて世田谷にあった牧野標本館でのお仕事の様子、牧野標本の整理方法、牧野富太郎の足跡を追う仕事など、直接ご本人から伺う貴重な時間となりました。
牧野富太郎が生涯に残した標本は約16万点と言われ、その整理作業は現在も完了したとは言えないそうです。植物標本を学術資料として後世に残すためには地道な作業が必要で、それがどんな様子で行われてきたかがよくわかりました。
牧野富太郎が文字どおり全国を駆け回って集めた植物標本の学術的価値は、今後も年月とともに大きくなっていきます。山本さんが様々な資料をたどり、点と点の間を埋めるようにして牧野博士の足跡をたどった作業もまた、標本の基礎を支えるものとして永久に残るのでしょう。
ミニ展示は5月31日まで続きます。そちらもぜひご覧ください。
(生物担当学芸員)