毎年5月10日~16日の1週間は、愛鳥週間(バードウィーク)です。
戦後間もない1947年、アメリカ人鳥類学者のオリバー・L・オースチンの提唱により、4月10日をバードデーと定めました。しかしこの時期、北日本ではまだ積雪もあるという理由で、1950年からは1か月遅らせた5月10日~16日を愛鳥週間と定めました。以来、野鳥保護思想の普及に努めることを目的とした様々なイベントが行われてきました。
さて、このブログでも愛鳥週間にちなんで、相模原市の鳥であるヒバリを紹介します。
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ヒバリ(オス)
ヒバリは畑地や河原、草原などを主な生息場所とする野鳥です。相模原台地はかつて広大な桑畑や畑、カヤ場(ススキ原)が広がっていたことから、この地域はヒバリの密度が非常に高かったと推測されます。市の鳥の選定理由は「元気良くさえずる声が躍進する市の姿を象徴している」(1974年)なので、生息環境や生息密度は理由に含まれていません。しかし、ヒバリの囀りがとても身近だったことは選定の背景にあったと思われます。
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飛びながらさえずるヒバリのオス
せっかくなので、2006年~2007年にかけて相模原市と合併した旧津久井郡四町の鳥も紹介します。
旧城山町の鳥はメジロです。
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メジロのつがい
旧津久井町の鳥はウグイスです。
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ウグイス
旧相模湖町の鳥はオシドリです。
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オシドリのメス(左)とオス(右)
旧藤野町の鳥はヤマセミです。
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ヤマセミ(オス)
いずれも地域の環境に見合った鳥が選定されていました。
この時期は野鳥の繁殖活動が最も盛んな季節です。巣立ったヒナがおぼつかない足取り、危なっかしい飛び方でウロウロしていてハラハラしますが、近づかずにそっと見守ってください。
「ヒナを拾わないで」キャンペーンも実施中です。詳しくはこちらをご覧ください。
野鳥たちの生活を、一歩下がって、温かい目で見守る意識を高めるための愛鳥週間としたいですね。
(生物担当学芸員)