雨の風景に似合う花は、アジサイだけではありません。
博物館の駐車場やお隣の樹林地にたくさん生えているミズキもその一つです。
あれ?でも、だいぶ前、4月の記事でミズキの花が紹介されていたはずじゃあ・・・。そんなに花期が長いの?
いえいえ、そうではありません。上の写真はミズキに近い種類のクマノミズキの花です。博物館の駐車場にはどちらもたくさん生えていて、葉っぱだけみても違いがよくわかりません。葉の付き方や冬芽を見れば一目瞭然なのですが、遠目ではほとんど同じ木に見えます。
なるほど、花も葉っぱもそっくりだけど、花期が1か月半ほど違うということが、近縁である二つの植物の最大の違いというわけです。両種の長い歴史の中で、別々の種として同じ環境に共存してきた理由です。専門的な言葉では、生殖隔離と言います。ところで、ミズキの方はというと・・。
今はもう青い果実がふくらんできています。これもまた、雨に似合います。この果実が黒く実る頃には梅雨も終盤でしょうか。
(生物担当学芸員 秋山)