昨年8月から開催している金星探査機あかつき応援企画は、今年度から、当館で開催する新規事業『さがみはら宇宙の日』の位置づけに加わり、引き続き偶数月に開催しています。
そして、本日は「金星探査機あかつきトークライブ」第6段を開催しました。
今回は「金星の天気と季節」をテーマに、神山(こうやま) 徹さん(産業技術総合研究所研究員)の講演会と、実習“スーパーローテーションの風速を求めてみよう!”を行いました。
講演会では、兄弟星と例えられる地球と金星とを比較して、似ている点や異なる点について、とても分かりやすく説明してくださいました。地球の平均気温が15度に対して、金星は460度もあることや、スーパーローテーションと呼ばれる秒速100メートルの風が吹いていること、硫酸の雨が降っていること。また、スーパーローテーションには季節があるかも知れないことなど、とても興味深い内容でした。
後半は、研究者の方たちも行っているスーパーローテーションの風速を求める「クラウドトラッキング」の実習です。具体的には、Venus Express によって観測された金星の雲の画像を使って、一定時間に雲がどちらにどれくらい流れたか(上下左右の移動)を測る作業をしました。
特徴的な雲の模様を特定するために、蛍光灯の光を透かしてみたり、パラパラ漫画の要領で、重ね合わせた2枚の画像を、上の1枚をめくり上げたり、重ねたりを繰り返して、見慣れない雲の画像に挑戦していました。
移動した距離(画像上の長さ)を神山さんが計算式に入力して、風速を算出しましたが、想定された傾向に概ね一致するといった、優秀な成績を105人の参加者が一致団結して導き出すことができました。(結果は後日、金星探査機あかつき サイトにアップしていただける予定?です。)
講演会と実習が終わった後は、研究者の方々を囲んでの“あかつきランチ”タイムです。今日の講義の質問や、研究とは全く関係の無い日常の話題など、講師と聴講者の垣根を越えて、お互いの距離が縮まる楽しいひとときでした。
次回以降の「さがみはら宇宙の日」
7月28日(日)14時~はやぶさ2応援企画展開催記念講演会
「やっぱり小惑星はおもしろい!」
講師:布施哲治さん(情報通信研究機構主任研究員)
8月31日(土)13時30分~金星探査機あかつきトークライブ 第7弾
講師:戸田知朗さん(JAXA宇宙科学研究所准教授)
(天文担当 有本)