6月1日の給桑開始から60日目の7月10日、乾燥させずに生かしておいた繭から、オスの成虫が羽化しました。そして、7月11日からこの成虫を飼育展示に出しています。
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繭につかまった状態で展示します(展示中はフタをします)
ただし、カイコの成虫には食べるための口がありません(繭をほぐして出るための酵素を出す口はあります)。そのため、飲まず食わずで、繁殖行動を終えると10日ほどで衰弱して死んでしまいます。
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成虫はモフモフのぬいぐるみのようです
なんだかせつないように思いますが、昆虫にはかなりの割合で、そうした生活史のものがいます。蛾の多くの仲間のほか、ホタルの仲間なども成虫に口がありません。
成虫は、これから順次羽化する個体を交代で展示していきますが、生かしている繭は全部で5個ほどですし、同じタイミングで出てくる個体もいるので、展示できるのは今週から来週前半くらいかと思われます。ご来館の際にはお見逃しなく!
(生物担当学芸員)