博物館の建物の周囲には排水溝があり、そこにトンボがいることがよくあります。7月28日、酷暑の中で黄色いトンボがとまっていました。
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オオシオカラトンボ
オオシオカラトンボです。オスは鮮やかな水色のトンボですが、とまったり飛んでいたりするのはいずれも黄色く、メスばかりだな、と思っていました。
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別の日に撮影したオオシオカラトンボ(オス)
しかし、あまりにもメスばかりなのでふと思いつき、図鑑で調べてみました。すると、羽化したばかりのオスはメスと似て黄色いことがわかりました。写真を見直してみると、この個体は腹部の先に膨らみもないことから、やはりオスだということもわかりました。もう少し時間が経つと、オスは全身が黒くなり、さらに灰白色の粉で覆われることで水色に見えるそうです。近い仲間のシオカラトンボの水色も同様です。
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シオカラトンボのオス 複眼も青いので、黒いオオシオカラトンボと区別できます
羽化直後のオオシオカラトンボがいるということは、やはり博物館の排水溝でヤゴが育ったということです。こんな流れの不安定な場所でどうやって成虫にまで成長したのか、ちょっと不思議ですね。
(生物担当学芸員)