8月が半分ほど過ぎましたが、まだ夏は終わらない!ということで、相模原市立博物館では様々な夏のイベントを実施しています。(各イベントの詳細はこちらをご覧ください。)
その中で、本年は戦国時代に関東一帯で権威を振るった北条氏(後北条氏、小田原北条氏とも)が北条姓を名乗ってから500年を記念する年ということで、「GO!北条〜北条五代ゆかりの地を巡るデジタルスタンプラリー〜」を開催中です。
当館と小田原を本拠とした北条氏、何か関係が?と思われるかもしれませんが、北条氏の祖・伊勢宗瑞(いせそうずい)は、本市域を含む相模国(さがみのくに)を支配した際、1512(永正9)年8月に当麻(たいま)に制札(せいさつ)を出しています。制札とは、自軍の乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)の禁止を保証した文書のことで、このことから当時、当麻が宗瑞の支配下にあったということがわかります。
実物は無量光寺文書(非公開)として本市有形文化財に指定されており、当麻山無量光寺(南区当麻)で大切に保管されていますが、当館ではこの制札をはじめ、多数の北条氏文書の複製をご覧いただくことができます。
ところで、伊勢宗瑞は五代続く北条氏初代の人物ですが、一般には北条早雲(ほうじょうそううん)の方が聞き馴染みがあるのではないでしょうか。実はこの「北条早雲」とは、宗瑞が亡くなった後に広く知られるようになった呼称で、生前は自らそのように名乗ったことはなかったと言われています。
「北条」を称するようになったのは二代・氏綱(うじつな)の頃、ちょうど今から500年前の1523(大永3)年のことです。今回のデジタルスタンプラリーは、これを記念して北条五代観光推進協議会が主催し、北条氏文書(複製)を常設展示している当館もチェックポイントとして“ゆかりの地”に名を連ねているのです。
スタンプラリーではありますが、“デジタル”スタンプラリーのため、台紙は持ち歩き不要です。お持ちのスマートフォン等で参加登録をして、1都1府4県、計38か所にあるゆかりの地のチェックポイントでスタンプを取得すると、集めた数に応じて先着や抽選で豪華賞品をゲットするチャンスがあります。
参加方法やチェックポイント、賞品等の詳細は小田原市の公式ホームページをご確認ください。また、当館エントランス及び自然・歴史展示室「郷土の歴史」内の北条氏文書展示エリア付近にもポスター・チラシを掲示しています。(※チラシはなくなり次第、配布終了します。)
当館の展示ガイド「カタログポケット」をご利用いただくことで、解説付きの展示観覧も可能です。デジタルスタンプラリーは令和5年10月31日(火)まで開催していますので、この機会に北条氏ゆかりの地巡りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
(歴史担当学芸員)