植物の名前には、ススキやヒガンバナなど、なじみ深いものも多いのですが、なにしろ神奈川県内に分布する植物だけでも3000種以上あります。中には混乱してしまいそうな紛らわしい名前も多く、今回はそんな中の2種類の植物を紹介します。今、ちょうど博物館の敷地内や周辺の樹林地でたくさん咲いています。
まずこちらは、キツネノマゴです。
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キツネノマゴ(狐の孫)名前の由来はよくわかっていません
そして、隣り合うように咲いていたのが、カラスノゴマです。
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カラスノゴマ(烏の胡麻)鞘の中に実る黒い種子を、カラスが食べるゴマに見立てたのが由来だそうです
「孫」と「胡麻」。漢字で書けばわかりやすいのですが、生物の種名は、学術的に表記する場合はカタカナで表記するのが慣例です。
いずれにしても、同じ時期に同じような環境に咲くので「狐の胡麻」か、「烏の孫」か?混乱してしまいそうです。でも、そんな紛らわしさも、毎年この季節の頭の体操だと思って記憶をたどれば楽しいかもしれませんね。
(生物担当学芸員)