博物館のまわりでも、イチモンジセセリが目立つようになってきました。
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イチモンジセセリ
幼虫の食草がススキなどのイネ科なので、ススキのイメージと相まって秋の印象が強いチョウです。しかし実際は、春から羽化をしていて、秋だけに見られるわけではありません。ではなぜ秋の印象が強いかと言うと、この仲間のチョウは「渡り」をするからなのです。春から夏にかけて、羽化をした成虫が北へと移動しながら分布を広げ、秋の終わりころになるとまた南下するそうです。そのため、秋は南から渡ってきた個体が多くなるため、目立つようになるというわけです。
博物館周辺では、同じ仲間のキマダラセセリも見られます。
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キマダラセセリ
直線的に飛んで、ススキの葉の上などにピタッと止まる様子を見ていると、「渡り」のような長距離を飛ぶイメージが沸きません。身近なチョウですが、なんともすごいパワーを秘めているんですね。
(生物担当学芸員)