9月15日~18日に金沢大学で行われた日本鳥学会大会に参加してきました。
今回はポスターセッションで「エナガは巣材に色付きの羽根を選ぶか?」というタイトルで発表しました。博物館周辺の樹林で営巣するエナガは、巣材に大量の羽根を使います。ある年、博物館の駐車場で巣材を拾っているエナガを見たのですが、運んでいたのがテイカカズラというつる植物の冠毛(綿毛)でした。
羽根と比べて貧弱なテイカカズラの冠毛を使っているということは、羽毛が足りないのか?とお節介心が働き、手持ちの羽根を近くに置いてみたのです。すると、たくさんあった寝具用のフェザー(白いアヒルの羽根)よりも、キジバトなど色のついた羽根を選んで持っていくように見えたため、翌年、センサーカメラを設置してどちらを持っていくか実験しました。今回、その結果を発表しました。
実験の結果は、やはり概ね色付きの羽根を選んでいたというものでした。とてもシンプルな実験でしたが、多くの方が関心を持って下さり、ディスカッションする中で実験方法の改善点や、今後の課題などが明確になりました。こうしたディスカッションこそがポスター発表の利点なので、目的をしっかり果たすことができました。
空いた時間で、金沢市郊外の公園に行ってみました。ちょうど秋の渡り鳥のシーズンに入っていたので、エゾビタキなどの小鳥たちが林の中で採食していました。
海岸沿いに出てみると、ショウドウツバメが5、6羽で飛び交っていました。関東地方の太平洋岸では稀にしか見られない鳥ですが、日本海側では比較的普通に見られます。
学術大会の参加は頭をフル回転させる場面が多くて疲労感はありますが、また次の研究課題や最新の研究動向などを吸収できるので、学芸員にとっては必要不可欠な場でもあります。
(生物担当学芸員)